当研究会は、1989年(平成元年)に立ち上がりました。当時の富士温泉病院の作業療法士・柏木正好先生(現:柏塾)の声かけにより、長野県伊那市の小さなロッジで30名の作業療法士・理学療法士が集い、宿泊型の勉強会が開催されました。それが原型です。当時を知っている人は、今では数少ないでしょう。この勉強会では、中枢神経系疾患に対する作業療法・理学療法・言語聴覚療法に対して、真剣に具体的議論がなされました。それから現在まで、年に1回の大会会場は第3回までは長野で、第4回から山梨です。山梨JA会館、山梨大学を経て、2003年よりアイメッセ会場となりました。参加人数も膨れ上がり、現在では約千名です。何より、東日本大震災時を除いては、毎年に開催していることの意味、そして期待は大きいと言えます。
昨今、活動と参加が頻繁に取りざたされます。我々は、この長い期間ずっと真剣に向き合ってまいりました。活動や環境が成す特性が身体等にどのように影響、成果を及ぼすか等を追求しています。30年以上の歴史は、噓をつきません。継続は苦労であり、労力であり、信念であり、そして「力」であります。私たちは、時代に沿ったなかで進んでまいりました。
2015年には、定義を作成しました。まだまだ未完成ではありますが、『作業療法・理学療法・言語聴覚療法を必要とする方々への「環境・課題(対象)・文化の特性分析」を根幹とし、そして「解剖学・運動学・神経科学等の医学的分析、生態心理学等の種々の分析」に基づく介入である(一部抜粋)』。毎年の大会では、1)活動を分析して、2)それに則った種々の介入を行い、3)その失敗・成功を、動画等でたくさん発表いただいております。動画は、臨床の生を診ることができます。これは、当会の特徴でもあります。また技術講座は、基本動作から応用動作まで。みんなで、お互いの臨床力を高めましょう。それが願いです。
これからも、活動分析研究会は邁進いたします。対象者さんがいらっしゃる限り。未来を一緒に創ってまいりましょう。これからも、どうぞ宜しくお願いいたします。
2020年1月
活動分析研究会
会長 山本伸一